Crosstalk #04
監理業務とは?3つのスケールを横断的に考えられる人になれたら
建築を学んだ人でも聞きなれない「監理」の仕事。ひとつの建築を施主や施工者、設計者とみんなでつくりあげる重要な立場です。今回は入社9年目の野村さんに仕事内容をお聞きしました。
2021年3月インタビュー実施
動画の内容を文章でも再掲しています
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監理者の立場は
クライアントの利益を守ること
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監理とはどういう仕事なのでしょうか?
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監理の仕事のひとつは、施工者が設計図書を元に、工事計画書や施工図、制作図を作成するので、それらが設計図書の品質を満たしているかを確認することです。また、監理業務の中に工事監理という業務が含まれていて、設計図書の通りに工事が進んでいるかを確認します。監理者の立場はクライアントの立場。クライアントの利益を守ることですので、そういった視点で業務に当たっています。
学生の頃は監理業務が何であるかなんて知らない方が当たり前です。言葉を知っていたとしても、実際に何をやるか、わからないのではないでしょうか。もちろん自分もその一人でした。
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監理部に入った理由を教えていただけますか?
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就職活動をする中で、自分が何をしたいのか向き合う時間があって、たまたま「監理に興味ある?」という話をいただきました。当時の私は監理が何か見当もつかなかったので、研究室の先生に相談しました。その時に返ってきた言葉が「設計者よりも施工者よりも建築を知っている人がやる仕事。それが監理なんだよ」という言葉でした。
都市的なスケールから建築的なスケールまで。大きなところから中間までをそれまでの自分は意識してきたけれども、監理という仕事はもっと現場の空間に繋がっていくところなのかなと理解しました。都市的なこと、建築的なこと、現場のこと、この3つのスケールを横断的に考えられる人になれたら面白いなと思って、監理に興味を持ちました。
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自分で判断して決めていくことが
すごく多い仕事
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久米設計を選ばれた理由は何ですか?
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当時の自分のやりたいことは、大きな建築に携わりたいということでした。諸先輩方と話していくうちに、自分のやりたいことをやらせてくれる社風があるなと感じて、久米設計を選びました。
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実際に入ってみて、印象的なエピソードはありますか?
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自ら判断して決めることの多い仕事なので、例えば、現場の施工監理20年、30年のベテラン施工者さんと技術的な話をしていく中で、自分はこうした方が良いと思った時に、本当にこの判断で良かったのかと悩むことがあります。
判断が本当に正しかったかどうかは、10年20年経たないと分からないと思うんですよね。こうあるべきというのは自分の中にあるんですけれども、本当にそれで良いのかは分からない。正解はないのかもしれません。そこが大変ですよね。
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施主と施工者と設計者と
良い関係を作り上げる
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監理業務のやりがいや楽しかったエピソードを教えてください。
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9年目になって、「ここは野村に聞いてみよう」みたいな。ちょっとしたことで相談があって物事が解決していく。それだけでも、やりがいを感じますし、楽しいです。
自分が楽しく仕事をする上で、施主と施工者と設計者とは何でも話し合える関係を作っています。みんなと良い関係を作って、ひとつの建築を作り上げる。そういったことがとても重要だと思います。
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今後の抱負として新たに取り組んでみたいことがあれば?
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(新宿TOKYU MILANO再開発を指して)まずは目の前のことですね。あの建物が進行して、実際に使われるところまで向き合って、最後まで付き合っていきたいなと思います。
また、これからの時代、木造高層建築が増えていくといわれていますが、日本ではまだまだ事例が少なくて、いずれ自分が挑戦してみたいなと思っています。
2021年3月インタビュー実施